南紀熊野フォレストスタイル

今回は山の話ではなくて、海で合板製シーカヤックの進水式をしました。という話です。なので、番外編としています。
シーカヤックの船体を自らデザインし、レーザーカッターで合板に出力し、組み立てて田辺湾を航海する活動をされている方がいると父から聞き、興味があったので組み立てキットを購入させていただき、挑戦しました。
といっても、僕一人でやったわけではありません。父とデザインされた方の3人で延べ1週間くらいかかっています。
このカヤックは、車にも積み込みやすいように3分割できるようになっています。

レーザーカッターを用いて切り出したこのような部品を画像1

 

組み立てていきます。画像2

 

継ぎ目をパテで埋めていきます(これは結構大変)画像3

 

部品を組み立て終わりました。画像4

 

勘合部の確認をして画像5

 

そして、色を塗っていきます。下塗りで白を、この上は子供たちに自由に塗らせたいと思っています。画像6

 

進水式当日。車で運んできました、これから3分割のものを連結します。(一瞬で連結出来ちゃいます)画像7

 

ついに進水!紀伊半島の田辺湾内之浦進水式の後、海上散歩。画像8

 

製作したカヌーのデザインは、プラスチック製のものと並べて比べると、エッジが利いていてとてもかっこいいですね。
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カヌーに乗って実際に浮かんでみると、海面に近い目線が新鮮で、自然に近づけている感じでとてもリラックスできます。おススメです。

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僕は今、住設メーカーで商品開発の仕事をさせてもらっています。その前には、別の会社で木工関係の仕事をさせてもらっていて、モノづくりは結構好きです。そういえば大学では技術科(と農業科)の教職課程も取りました。

それから僕は、山主として「木」という素材を、より多くの人たちが身近に感じて、暮らしの道具に使えるような環境を作ることで、山主としての活動がもっと楽しくなっていくのではないかと、考えています。

近年では、木材の加工機械や木工工具がすごく身近になったし、DIYブームもあり、このような考え方は結構追い風なのかな、と感じています。
また、暮らしを自分たちの手で作れる人を増やす活動をされている方や行政、デジタルファブリケーションで森林業に変革を起こそうとしている方たちが頑張っておられます。

また、住設メーカーで仕事をしている中で、”住宅供給”が命題だった時代のモノづくり=大量生産による低価格商品を供給するというモデルからの転換を求められていることをとても感じています。
分散型デジタルファブリケーション、素材生産からデザイン・製作、利用まで一気通貫、一つの地域で完結させることが可能なこのようなモノづくり、これが21世紀のモノづくりなんてことも考えています。

いまやこのようなデータもフリーソフトで誰でも手軽に作れちゃう時代ですしね。画像11

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山主が楽しいものとわかれば、潜在山主がどんどん浮かび上がって来て、所有者不明の山林で手入れが行き届かない、というもう20年以上前から言われていることの解決にも少しだけ寄与できるのではないかな、と思っています。
今回のシーカヤック製作はその一端ですが、このような活動をいつかは森林と海をつなぐものにしていきたいと思います。
最後はちょっと話がそれましたが、以上海へ行った話でした。